雨水貯留による洪水の緩和

水田、畑、果樹園など農地の雨水貯留機能は作土層厚(土壌の厚さ)や有効孔隙率(土壌の中の空気の割合)などに配慮して以下の計算式で求めることができます。これによると水田は202.5㎜、畑は46.7㎜の、果樹園は94.8mmの降雨(いずれも1㎡につき1時間あたりの降雨量)に対して雨水を貯留できることになります。

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(出典:一般財団法人 農村開発企画委員会「都市農業の振興推進」報告書)

2013年10月の台風26号は伊豆大島で山津波を引き起こすなど日本各地に甚大な被害をもたらし、さいたま市ではさいたま新都心など都市部に近接して残された約1,260haにのぼる見沼田んぼ(田畑や雑木林、公園など一連の緑地)の一部が冠水しました。見沼田んぼの排水河川である芝川は天端まで水が達していました。見沼田んぼによる雨水貯留は、下流の川口市や足立区の被害を軽減させたと思われます。

台風26号により冠水した見沼田んぼ(さいたま市)の田畑(2013年10月)

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(写真提供:NPO法人 水のフォルム)

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